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『W3』(ワンダー・スリー)は、僕にとって『どろろ』と並んで最も好きな手塚治虫作品のひとつです。この作品は、出版社とのトラブルによって『少年マガジン』で連載されていたものが中断し、なんとライバル誌の『少年サンデー』で同じタイトルで一から連載をやり直す、という複雑な経緯を経て生まれました。現在我々が知る『W3』は『少年サンデー』版ですが、実は 1990 年代に廉価版のコンビニ本として、『少年マガジン』版の『W3』がこっそり出版されたことがあります。 その表紙に印刷されているのは廉価版コミック・シリーズのキャラクター(?)と文字のみで、一見しただけでは本の中身が手塚治虫の『W3』であることが解りづらいんですが、れっきとした講談社の出版物です。なんでそんなものがこっそり出たのかが謎で、『W3』は手塚治虫の代表作のひとつだし、『少年マガジン』版は貴重です。内容は、当時の誌面を撮影したもののようです。なぜ原稿を印刷しないで雑誌から起こしているかと言うと、『マガジン』版と『サンデー』版を見比べれば一目瞭然。『マガジン』版の原稿は、手塚先生得意の切り貼りテクニックでバラバラに裁断され、その多くが『サンデー』版のコマとして再利用されています。『マガジン』版のコマがどのように『サンデー』版で再生されているかを見ていくだけでも面白い。 この謎の廉価版『W3』には、『少年マガジン』に連載された全話のマンガに加えて、『W3』事件の経緯、当時の関係者に新しく行ったインタビュー、そしてこの件に対する手塚先生の当時のコメントが掲載されています。つまり、通して読めば事件の流れが解るようになっていて(あくまで編集者の視点中心ですが)、でも読んでももやもやは消えません。 僕はたんなるマンガ読みなので、貴重な物が読めてラッキーでした。そして僕が言いたいのは、もしあなたがブックオフの 100 円コーナーでこの謎のコンビニ本を見つけたら絶対買っとけ、ということです。
by de_kick_o_nice
| 2015-05-19 08:02
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