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日本国内での通常のアナログ・レコードの製造は、1990 年代が始まった頃にほぼ終了しました。それでも 90 年代初頭には、一般販売されない、本職のクラブ DJ 向けのプロモーション盤 12 インチ・シングルが製造されていました。当時有難いことに、avex trax のプロモ盤が少数、渋谷 WAVE のクラブ・ミュージック・コーナーに出回ることがあり、僕はそれを目当てに毎日のように通っていました。その時手に入れたのは、安室奈美恵 with SUPER MONKEYS の「TRY ME」の 12 インチや、MAX の「恋するヴェルファーレダンス」等。他に、中古レコード屋に出回るプロモ盤を漁って、僕は「90 年代に出たアイドル系アナログ盤」のコンプを目指していました。渋谷系や avex、テクノ等が流行って、アナログが少し息を吹き返した後も、アイドルと言えそうなミュージシャンのアナログ盤は、見かけたら買うようにしていました。 そんな 90 年代も末期の 1999 年 10 月 5 日午前、下北沢のディスクユニオンの店頭に、見たことのないアイドルの 12 インチ・シングルが置いてありました。その場で即買ったそれが、モーニング娘。「LOVE マシーン」のアナログ盤でした。それが、僕がモーニング娘。に興味を持ったきっかけだったので、僕のモーヲタ歴は、工藤遥(1999 年 10 月 27 日生まれ)の人生の長さとほぼ同じです。もっとも、本格的に曲を聴いてスゲーと思ったのは、タワレコ店内で流れていた、「恋のダンスサイト」のカップリング「恋はロケンロー」でした。あまり評価されていないようですが、変な曲で、僕は今でも好きです。 「I WISH」を買ったのは、当時渋谷の井ノ頭通り沿いにあった HMV 渋谷店でした。発売日の開店直後に店に入り、リスニング・コーナーで試聴していた時のことです。HMV は井ノ頭通りに面した部分がガラス張りになっていたので、「I WISH」を聞きながら外を見ていると、目の前の歩道を背の低い女性が通り過ぎたので、僕は本当に驚きました。それが、矢口真里だったからです。CD 屋で CD を聴いていたら本人が現れた、って、それ「LOVE マシーン」の PV(フル・バージョン)そのまんまじゃん! 矢口は店に入って来ました。やっぱり自分の CD が気になるか、え、そしたら僕がいるここに来る!?と身構えていたら、矢口はモーニング娘。の CD には一瞥もくれず、レジ前に平積みになっている CD をパッパッと手に取ってカードで支払い、足早にセンター街へ出て行きました。呆気にとられながら、もうちょっと自分の CD のことも気にしろよ、と思いました。
by de_kick_o_nice
| 2015-09-11 10:19
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